2014年3月7日金曜日

ブログって心底面倒なシステムだよね。月イチ更新で十分だわ。

 東西に長く伸びた商店街があるんだ。古き良き、とまでは言えないが、それでも日本にはかつてこんな街があった、って思わせるような、心あたたまる街だ。

 長い長いその商店街は、ちょうど真ん中で私鉄の踏切に分断されてる。踏切の東側にはそれぞれ薬屋と床屋があって、薬屋にはカエルが置いてある。床屋にはあのぐるぐるがある。

 踏切の西側には喫茶店とパン屋。またその喫茶店というのが、本当に「喫茶店」なんだ。絶対にカフェなんかとは言わせない。キーコーヒーの看板があって、その横にはホコリをかぶった信楽焼のたぬきがいる。鼻にはやる気のない字でOpenって書かれた看板がぶらさがってるんだ。

 そうして中に入ったら入ったで、またやる気のなさそうなマスターがいる。長い髪の毛をヘアバンドで一つにくくって、いっつも皿を拭いてる。客がいなくても拭いてる。あんだけこすってりゃ、いつかなくなっちまうぜってのが常連たちのお気に入りの冗談なんだ。
 
 いっつもだいたい「ビートルズ・オルゴール・メドレー」か、ボズ・スキャッグスの「ウィー・アー・オール・アローン」が流れてるんだ。きっとマスターの思い出の曲なんだろうね。

 音楽もそんな感じなら、コーヒーも至って普通。うまくもなけりゃまずくもない。ナポリタンだって、わざとらしい喫茶店のナポリタン、って感じで、とりたてて騒ぐこともない。

 そうしてとくになんの感動もなく食事を終えて、喫茶店を出るんだ。踏切を渡って、夕日が傾いてきた商店街を歩く。やがて高台につく。そうやって、長い坂を登って見下ろした街に、君と歩いて行く道を探すんだ。

 ここまで打って気づいたけど、やっぱ彼女いないとどうしようもないんやね。クソして寝よ。